010コラム: 2006年12月アーカイブ

東京地裁が12月7日に出した判決は、インターネットに縁が深いものとして非常に驚かされた。
2ちゃんねるの書き込みに対して220万円の損害賠償を命じる というものだったからだ。

報道によると、大手広告会社社員の男性は イベント企画サークル「スーパーフリー」の集団暴行事件をめぐり 掲示板運営の 2ちゃんねる とメールマガジン発行のサイバッチの書き込みや記事などで名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めた訴訟を起こし、東京地裁はそれぞれに220万円の損害賠償を命じた。
また 2ちゃんねるに投稿した人物の情報開示を併せて求めた。

原告代理人の弁護士は「情報開示されれば投稿者にも賠償請求する」と話している。

これはインターネット利用者にとって大きな意味を持つ判断だと思う。
例えば、個人でブログを運営していて、そのコメント欄に他人の名誉を毀損する書き込みが行われた場合、そのブログの運営者に損害賠償を求められる可能性がある事を意味する。
第三者が書き込んだ記事に関してそのサイトを運営する側に責任があるとなれば、オチオチブログの運営もできない事になってしまう。

判決では 2ちゃんねるに書き込んだ人物の情報開示を求めているけど、"情報" といっても個人の住所氏名が分かる訳ではない。

分かるのは接続情報のみで、具体的には、リモートホスト名(クライアントホスト)、使用ブラウザ、使用OS、画面の解像度などである。

ここで判明したリモートホストからプロバイダを判別し、捜査令状を提示してそのプロバイダに契約者情報の開示を求めれば、プロバイダは契約者のアクセスの記録を解析する事で最終的に契約者個人を特定する事は可能だと考えられる。

しかし、それはあくまでその契約者のIDでインターネット接続されたパソコンから書き込まれた事を意味するだけで、本人が書いた事を証明する情報とはならない。

なぜなら、暗号化していない無線LANの電波を傍受し、その契約者のIDを乗っ取れば第三者が個人を特定できない方法で書き込みができるからだ。
あるいはその会員のIDとパスワードを本人の気づかない方法で盗み出しで接続したかもしれない。
また、インターネット喫茶などからの書き込みの場合や無料プロバイダを経由してのアクセスではどうにもならない。

原告代理人が書き込んだ本人にも賠償請求する といっているけど、こういった方法でIDが乗っ取られたりしていない事を証明するのは簡単ではないだろう。
また、それを裁く裁判官にもそれなりのITの知識が要求される事になる。

いずれにしろ、インターネットば便利なものだけど、それを使用する事で自分自身に何の悪意がなくても間接的に加害者になりうるという事を今回の判決は示している。

以前に某サポート会社と契約をしていた時に受けた仕事の話。

そのお客様はご両親と同じ敷地に建っている別棟に住んでいた。
契約している会社から受けた作業指示はISDNの無線接続だった。

つまり、両親の家の電話がISDNに切り替えられていて、そこにBluetoothの無線機器を接続し、息子さんの家のパソコンに電波を飛ばす という指示内容だった。

本来このような接続を行うなら、機器を用意する前の段階で本当に実用的な速度で接続できるかを試さなければならないはずだ。
bluetooth機器は電波が比較的弱いので別棟に電波を飛ばすという今回のような接続は難しいと考えるのが常識。
それなのに、お客様の要望だからと安易に受け入れ、機器を買ってもらったり作業員を派遣するのは余りに無責任な行動だと言える。

案の定、正常に接続しても微弱な電波を辛うじて受信している程度で事実上使用不可能。
Yahooのトップページを全部表示し終わるのに5分以上かかるという状態だった。

このお客様とは大きなトラブルになったが、この作業がきっかけとなってそのサポート会社とは契約を解除したのでその後どうなったかは把握していない。

パソコンサポート業務を全国で展開している大手企業といってもやる仕事はこの程度。
私から見れば目を覆いたくなるレベルだ。

家電量販店も同じ。

出張サポートを利用するなら、地域で活動している小規模の事務所や個人のエンジニアをお勧めする。

先日、あるお客様から相談を受けた事例でこんなのがありました。

(相談内容)
ある建設会社ではエクセルを使って見積積算などの業務を行っていた。

しかし、受注が増えたり大きな物件になるとエクセスでは対処しきれいないため、独自でソフトの開発を検討していた。

そして、知り合いのシステム開発会社へ相談した。
そのソフトウェアは自社で使うと同時にパッケージソフトとして販売したい旨を伝えた。

そこの会社で受けてくれる事になった。
しかし数ヶ月後、完成近くまで進んだ段階でやはり無理と言われ、計画は頓挫した。

次に、その会社の知り合いのシステム会社を紹介された。
前の会社が途中まで作ったソフトウェアを基本にして新規に作成するという条件だった。

そのソフトウェアに不足している機能や問題点を洗い出しだうえで正式に依頼した。
当然の事ながら、パッケージとして売り出すものであるとの説明も行った。

その後5ヶ月間、何の質問や途中の打ち合わせなどは行ってこなかった。
最初に納品されたものは、エラーばかりでまともに動作しない。

修正して次に持ってきたものは動作はするが、当初の希望やこちらの要望とはかけ離れている。
当然あるべき操作マニュアルもない。

問題点の修正や機能の改善を求めたら、相手は専門用語を並べて技術的に不可能との回答をしてきた。

代金のうち80%(300万円以上)はすでに支払済み。
作成を依頼した業者は、パッケージとしてではなくその会社が使用するためのソフトを作成したと主張している。
第3者としての見解を聞きたいとの事で私に相談があった。


以上がトラブルの概要。

ある程度の規模のシステムを受注したのに、その開発過程で一度も打ち合わせの時間を持たないなんて有り得ない。
発注者側は、言ってみれば素人ですからそのあたりの事情が分からなくてもしかたないけど、受けたほうがそんな対応をするとは驚きだった。

恐らくお客さんと折衝を重ねながらシステムを開発した経験がない人物だったのではないか?
私が相談を受けた段階では、すでにその開発を担当した人物は顧客の要望に対応する気持ちを失っているような印象をうけた。
残念ながらこのような状況ではプロジェクトの成功は望むべくもない。

私から見れば考えられない事だけど、ソフトウェア開発の業界は何の資格も許可もなく始められる事もあり、中には怪しい業者もいるのは確か。
今回のようなトラブルに巻き込まれないためには1にも2にも打ち合わせを重ねることだろう。

最低でも月1回程度時間をとって現在の進捗の確認及び問題点の洗い出しなどを行っていればこういった事態は回避できたはず。
これはソフトの開発だけに限らず他の事でも言える事だ。

ソフトウェア開発においては、発注者側と業者側という関係は長く続くもの。
それだけに業者選定は慎重に行うべきだろう。

私の母(71歳)がパソコンを購入しました。

さすがに配線や初期設定は私が行ったのですが、GYAOの見方を一通り説明したらすぐに理解して早速韓国ドラマを楽しんでいます。
といっても別に私の母の自慢している訳ではなく、パソコンを使うのは難しくない事の証明だとも言えます。

私は今まで多くの初心者にパソコンの操作説明や講座などを行ってきました。
そしてその中で、若い人は必ず操作を理解できて、高齢者はどんな人でも理解が困難だ という一般に考えられているものとは異なる結果を得てきました。

指先が器用かそうでないか という事もあると思いますが、パソコンの操作を理解できるかできないかを分ける一番の原因は "思い込み" ではないかと考えます。

パソコンというのは使いこなすのが難しい機械だ。だから私はきっとうまく使えるようにならないだろう。
   

これ、完全なる思い込みです。

パソコンが難しい機械というのは誰の見解ですか?
私はきっとうまく使えるようにならないだろうと考える根拠は何ですか?

パソコンは小学生でさえスラスラと使いこなしている機械ですから、その操作が難しいというのは客観的な事実ではありません。
また、私には使いこなすのが難しい という事も単に自分がそう考えているだけで第三者から見た見解ではありません。

つまり、自分自身で "これは難しい" "きっとダメだろう" と考えている事それ自体が上達を困難にしているわけです。

"やってできない事はない" "パソコンは簡単に使いこなす事ができる道具だ"
こう考えられて、それに心から同意できればあなたもすぐにパソコン中級者になれます